いるというのは本当らしい。隣にいる妖琴師は一切こちらを振り返らない。
「……すまない。今日は先に帰らせて貰うとしよう」
「うん。そうして」
不意に、妖琴師の琴の音が聞こえてくる。音を聴いた混乱した悪鬼は味方を傷つけながら、以津真天が最期のトドメを打っている姿があった。そんな事よりも、先程微かに聞こえた音の方が気になって仕方がない。これではいけないとかぶりを振り、博雅に事情を話にいく。
しかしどうしてか、先に帰って寝所で寝ていたはずなのに、私はいつの間にかあの桜の木の下にいた。まだ昼間なので妖琴師の姿はない。そこにホッとしながら、早く去ろうとするのに足が全く言う事をきかなかった。鉛にでもなったかのようにその場に佇み、ぼんやりと桜の木を見上げる。
「――だから言っただろう?君は来ると」
背後から聞こえてきた馴染みある声に私は振り返らない。否、振り返れなかった。
「そこに跪いて乞うが良い。聴きたいのだろう?私の調べを」
それまで動かなかった足はまるで嘘のように動いた。言われた通りに膝を折り、桜の木を見つめたまま息を殺してあの音が奏でられるのを待っている。
「聴かせてやろう、思う存分。今度は立ち去るなどと言えぬように、その魂に刻んでやる」
いつもの位置に、妖琴師が座る。優雅に袖を翻し、見せつけるように琴を構えて。僅かに見えた御魂の発動に、私は息を飲むしかない。
「ほら、近くに寄れ」
聞いてはならない。行ってはならない。そう思うのに、身体は自然と前に進む。
人を狂わせる音律の持ち主。それに加えて、人を狂わせる効果のある御魂を混ぜれば、一体どれほどの効果となるだろうか。それを今から味わうのだと思うと、ゾッとした。
「捕まえた」
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